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まめ知識20 建築の質とコスト

6年後には東京でオリンピックですが、国立競技場の建替え問題で建築の設計界では色々な意見が飛び交っています。計画案そのものに対して、審査過程と審査経過の発表、環境問題、維持費、建設コストの問題などが主なところですが皆さんにも関係の深い建設コストの問題について少し掘り下げてみたいと思います。

設計コンペ当時の要項では1300億円の予算であったのが、概算で3000億円かかることが分かり、基本設計見直しに。新たに縮小された基本設計がまとまりましたが概算見積額は1600億円を超えたそうです。私にはやはり3000億円を超える建物に見えるんですが・・・
計画案を見ると、流線型の宇宙船の様な未来的な外観が目に留まりますが、私が一番驚いているのが屋根を支える構造です。長手方向の両端で地面に接地する長さ500mの端の様な大きなアーチ二本で支えています。計画変更で短くなりましたがそれでも400mあります。橋の様な構造だと思ってもらえば良いでしょう。この構造体が問題です。建築というよりは土木の世界の技術になりますから、桁違いのお金がかかると思うのです。この構造を採用する限り予算は大幅にオーバーすること間違いないと思っています。しかも現時点での見積もりですから、今後の資材の高騰と人手不足に陥ることを考えるとさらに上がることは間違いなさそうです。建設業界は長く続いたデフレの影響でベテラン、働き盛りの年齢層が急激に減っています。ベテランは年寄りばかり、3Kの現場には若い人も来てくれないのが現状だそうです。群馬県のデータによると10年以上新卒を採っていない建設会社が3割、5年以上だと5割を超えるそうで急に公共事業を増やすと言われても対処できないと悲鳴を上げています。
 昔の話になりますが日本中がバブルに沸いていた頃、設計するものするものが軒並み予算オーバーになった頃が有りました。倍とは言わないまでも5割増は当たり前、それよりも建設工事をしてくれる業者を見つけるのが大変、という頃がありました。今回はそのようにはならないでしょうが、今後住宅規模の設計でも資材と人材の問題で予算オーバーという事態は避けられそうにない雰囲気です。

 小規模建築の話しで恐縮ですが、私の住宅やアパートの設計の経験からコストの話しを進めさせていただきます。設計を進めるにあたり、提示されたコストに合わせて設計を考えるというのは当たり前と考えています。同じ施主、土地で同じ床面積あっても住宅の建設予算が4000万円と3000万円では仕上材料が違うだけではなく建物の形から構造、開口部の考え方まですべて違うからです。超ローコストの家であればデコボコと複雑な外観や中庭を取ることは最初から考えられません。単純な四角い箱の中で住みやすく快適で豊かな空間を造るように心がけます。一方多少しでも予算に余裕が有る時には建物を掘り下げてみたり外観が複雑になったりする条件の中で同じように住みやすく快適な家を造ることを考えます。さらに予算がある時に初めて壁の仕上や高い材料などを考える訳です。
余談ですがこの最後に書いた「材料」が高級であるかどうかが税務署の建物の評価額に大きく関係してきます。ですから我々建築家が設計する住宅の評価額は概ね低く、逆にケヤキの一枚板、4方無節のヒノキの通し柱、秋田杉中杢の天井板等を多用している風呂屋の様な外観の農家の建物が一番高く評価されるのです。
以上の様な理由から予算3000万円と言われていたが、実は始めから4000万円はかけるつもりでいた、というのが一番困ってしまいます。

住宅の場合、予算が先にありきの場合が多いですから一概に新国立競技場のケースとは比べられませんが、私のように30年も住宅や採算上の問題のあるアパートを設計しているとコストの問題は一番重要な問題になってしまいます。
 一方海外では・・・
イタリアの巨匠、カルロ・スカルパという有名な建築家がいましたが彼の設計する住宅は完成するまで10年以上かかるものも少なくなかったと言います。スカルパ曰く「設計上の問題は建築家の問題であるが、建設資金の問題は建て主にある」ということだそうです。私も一度で良いので言ってみたい台詞です。ということですから建て主の資金が枯渇してしまうと建設は止まり、またお金ができるまでそのまま放置されてしまう訳です。これはイタリアのお国柄かもしれませんが、同じ理由で建設が途中で止まっている建物をよく街中で見かけました。
 コストが一番大事と書いてきましたが公共建築等、頑張れば予算がとれるかもしれないといった中では、建設コストが上がるということはそれほどひどいことなのかと言うと?印もついてしまうので厄介です。考えさせられてしまう一例を挙げてみましょう。
 日本の現代建築に対しアンケートをとると一番優れた建築物は前回の東京オリンピックで丹下健三氏によって設計された「代々木のオリンピックプール」がいつの時代もダントツの一位です。この建物ですが設計が終わった時点で実は当初の予算の2倍になってしまい、丹下健三が直接大臣に予算を取ってもらえるように直談判に行ったと言われています。半分の予算のまま設計を変えて完成していたら今の様な絶対的な評価は得られなかったでしょう。また、コスト削減のため屋根をステンレス板で葺く予定であったのをカラー鉄板に変更したため、現在でも定期的に屋根の補修とペンキの塗り替えをせねばならず、その維持費に膨大な費用がかかっているようです。
この問題はイニシャルコストとランニングコストの関係に他ならず、住宅でも同じ問題があります。建設時にちょっとケチってしまったためその後ずっと維持費がかかってしまうことなどそこら中で聞く話しです。前にも書きましたが、断熱材などが良い例で、建設当時にしっかりと入れておけば数十万円もかからないものをケチってしまうと住んでいて不愉快なだけでなく毎月の光熱費もバカになりません。
以上のようなことをすべて配慮したうえ、コストをどこにかけるか、ランニングコストを考えると何が良いのか、予算オーバーでも後々気に入ってもらえる案が良いのかなど総合的に判断して私は最初の案を提出しています。
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まめ知識11 雪の重さについて

雪の重さについて
2週続けて関東地方は大雪に見舞われました。東京で27cmの積雪。
気象庁の予報はいつも少なめに感じますが、実際に屋根に積もった雪の量に比べると半分くらいの感じになりますね。我が家も屋根の上は50cmほど積もりました。
この歴史的な大雪で東急子供の国駅のホームの屋根、また八王子ではアーケードの屋根が崩壊しました。その他ご近所でもカーポートの屋根が崩れたりしたところが多いのではないかと思います。

そこで心配なのが自分の家は大丈夫なのか?ということでしょうが、何故崩壊したのかと、どのくらいまで大丈夫なのかを説明してみたいと思います。

構造の計算をする時、屋根などにかかる荷重は3つに分けて考えています。崩壊する荷重と長期荷重と短期荷重です。
崩壊する荷重というのはその名の通り、その重さがかかると壊れてしまうと言う重さです。
長期荷重というのは常にかかっていても大丈夫な重さで、安全性に大きく余裕を持たせて崩壊する荷重の 1/3をみます。短期荷重は短期の間(3ヶ月)であれば屋根にかかっても安全な荷重で、崩壊する荷重の2/3までと想定しています。

建築基準法では雪国の建物についてはある程度の雪が屋根にのっても大丈夫な強度を要求しています。例えば富山の場合は1.5mとか、自治体が条例で一定の量を規定しています。関東地方などではどうかと言うと30cm-40cmで、八王子など寒い地域は40cm、その他横浜や東京23区では30cmです。
一方実際の雪の重さですが、先週のようなさらさらとした雪は1m2、1cmあたり2kg、今週のようなべたっとした雪は3kg程度です。東京の場合は2kgで計算します。
以上の条件から計算すると、東京近辺では雪の荷重として1m2、1cmあたり2kgで30cmですから60kgの荷重を想定していることとなります。(ちなみに富山では300kg!)今回の雪の場合50cm積もりべたっとした雪でしたから3kgx50cmで150kgですから相当想定値をオーバーしていますね。
でも大丈夫です。実際の建物で説明すると、屋根が直接支えている屋根自体の重さと天井の重さは30kg/m2程度ですが、一般的には100kg/m2以上の長期荷重を見込んで設計しています。これは崩壊する荷重に置き換えると300kg/m2、短期荷重ですと200kg/m2に当りますから、3ヶ月間であれば200kgの重さに耐えるということになります。屋根面が支えているものは屋根の仕上とその下にある天井になりますが、この重さは1m2あたり30kg程度ですから、その分を減じても短期的に170kgの重さが屋根の上にのっても崩壊しないということになります。
ちょっとややこしくなりましたので簡単に積雪量で表すと、東京などあまり雪の降らない地方の場合
さらさらした雪で85cmまで
べたっとした雪、雨などの水を含んだ雪だと57cmまでは十分に安全ということです。
崩壊に至るのは
さらさらした雪で135cm
べたっとした雪で90cmになります。
崩壊する前にはたわみが出たり、色々と不都合なことが起こりますから上記の計算上の数字までは安全とは言い切れませんので短期荷重を超えたら(さらさら雪で85cm、べた雪で57cm)雪下ろしと考えるのが良いと思います。

では、なぜホームの屋根やアーケードの屋根が崩壊したのでしょうか?
ホームやアーケードなどは折板屋根一枚で葺かれていますから、雪の荷重以外ほとんど支えなくてはならないものがありません。積雪荷重だけでぎりぎりの構造計算をしたのではないかと思います。ようするに基準法で求められている2kgx30cmの1m2あたり60kgの短期荷重です。重い雪が30cm積もってしまうと90kgになって崩壊する荷重90kg/m2になってしまう訳です。30cm以上積もったか、風やら色々と悪条件が重なってしまったのでしょう。

では良く見るカーポートはどうだったのでしょうか?
カタログを見ていただけると分かりますが、買う側が色々と想定して強度を決めなくてはなりません。雪国仕様として鉄骨で補強したものをオプションで扱っていたり、柱の本数を増やして雪対策を考慮するなどできるのですが、実際、ほとんどは積雪荷重は十分な余裕を持って考えずに設置しているようです。価格が高くなることもあり積雪荷重まで考えていられないというのが現状です。
特に柱が片側だけにしかない方持ちタイプのもの、雪が落ちにくい平面屋根は弱いようですから、早めの雪下ろし、つっかえ棒での補強が必要となります。

まめ知識10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

時代が変わり、場所(国)が変われば大きく変わるもの。それが住宅の広さです。
顕著な例として戦後の焦土と化した日本です。1946年に臨時建築制限令が出され、不要不急の建築は禁止され住宅の床面積は15坪に制限されたのです。(翌年の法令施行の段階で18坪にまで緩和)この広さは現在のワンルームマンション2軒分程度の広さしかありません。
当時の建築雑誌を見ると、増沢洵自邸ー最小限住宅などの名作が見られ現代の小住宅などでも参考にせれています。(写真下)

増沢自邸
増沢洵設計 最小限住宅 1952年


時代は変わり2006年の統計が下表です。
(統計のある17カ国で比較)

  国別に見た一件あたりの平均面積は(m2)
   1位 アメリカ     162
  2位 ルクセンブルグ  126
   3位 スロベニア    114
   4位 デンマーク    109
   5位 日本       94
   6位 オーストリア   92
   7位 フランス、トルコ 90
   8位 イギリス     87
   9位 チェコ      84
  10位 ポルトガル    83
 (日本は世界で第何位? 岡崎大五著/新潮新書より)

ということで、決して「ウサギ小屋」*)では無いのです。
サンプル数が少ないため5位は言い過ぎでかもしれませんが、フランス、イギリスよりも大きいことは確かです。もう少し詳細に見ると国土交通省2003年の土地統計調査では持ち家125m2、借家48m2、平均96m2となります。持ち家に対して借家が圧倒的に狭いことが特徴として分かります。
アメリカの162m2、49坪は別格として、坪数で換算すると2位の126m2は38坪、10位の83m2は25坪ですから普段設計している住宅とそう変わりありませんし、皆様の住宅も世界基準の広さで2-4位の範囲に入るものがほとんどではないかと思います。

住宅の無料相談会などで圧倒的に多いのが35-40坪程度の広さを要求される方です。予算や敷地が十分であればまだ良いのですが、一軒家はこのくらいの大きさが無くてはいけないとか、広さにあこがれがあるようです。
現在住んでいる借家のアパートやマンションの広さを伺うと20坪程度とのこと。では今の広さに6畳間が二つついていれば良いですかと伺うとほとんどの方はそれでOKだと答えます。計算するまでもなくそれであれば26坪で良いはずなのですが、一軒家だと35坪、ないしは40坪は無いと・・・??と不思議な話しになってきてしまいます。ちなみに我が家は4人家族で26坪です。

地球家族と言う面白い本があります。世界各地の代表的な住宅一件を選び、その住宅の前で写真を撮ったものなのですが、住宅の中に入っていた荷物はすべて外に出して撮影されています。その中で圧倒的に荷物の多いのが日本の住宅でした。

日本地球家族
標準的な日本の住宅に納められているモノ

前面の道路一杯に生活用品が運び出され、よくもこんなに沢山の品々が納まっていたなと感心させられる程です。しかしこれは特別な例ではなく一般の家庭にごく普通にあるものが写っているだけです。一番少なかったのは遊牧民の住宅やアフリカ、インドの住宅でした。(写真下)

モンゴル地球家族
モンゴル遊牧民。住居は折畳めるゲルと言う木製の骨組みにウールをかぶせたもの。

インド地球家族
インドの例

我が国の住宅の荷物の多さにもビックリですが、クエートの写真左下の方に写っているのはソファーです。20-30人用でしょうか?

クエート地球家族
クエートの例

また、イタリアなどのヨーロパ先進国の住宅の荷物と比べてみるのは日本と比較しやすく面白いかと思います。

イタリア地球家族
イタリアの例


絶対的な広さもさることながら、その中に運び込まれる荷物のことも一緒に考えると広い家がほしいと言うことになってくるのでしょう。広さだけではなく収納される荷物の量も一緒に考えた方が良さそうです。

近代建築の巨匠ル・コルビュジェが晩年に建てたカップ・マルタンの休暇小屋(写真下)は何と8畳の広さしかありませんでした。コルビュジェはとても気に入り毎年夏冬、夫婦でここに過ごしたと言います。

カップマルタン
コルビジェが晩年を過ごしたカップ・マルタン


これは極端な例ですが、荷物の量と住宅の大きさが強く関係しているのが分かります。

*)フランス語のcage a lapins が英訳された時に誤訳され本来は「都市型の集合住宅」と言う意味であったが、英訳で誤訳されそれが広まった。

まめ知識08 番外編 土地とお札の大きさ

土地の値段の格差が気になります。住宅の設計に携わっているからなのでしょう。地方の場合土地の値段と建物の値段を比べると1:3ぐらいの割合で建物の方にお金がかかるのですが、東京近郊になるとこれが逆転し2:1程度で土地にお金がかかってしまうことが多くあります。設計をしている側からするとちょっと腑に落ちないところがあるのですが・・・

というのはお金の話になって恐縮なのですが、たとえば東京で5000万円の土地と2500万円の建物となった場合、土地の取引は売るときの不動産手数料が3%、同じく買うときの不動産手数料が3%になりますから、同じ業者が取り扱うとその不動産屋さんには合計6%、300万円の手数料が入ります。この値段は2500万円の住宅の設計監理料とほぼ同じです。ちょっと空しくなります。

さて、愚痴はこのくらいにして土地と建物の比が1:3と2:1ですから同じ3000万円の家を建てる場合、地方だと土地の値段が1000万円、広さは70坪位となるのに対し、東京近郊ですと土地の値段が6000万円、広さは30坪程度になってしまいます。

地方都市で3000万円の家というイメージは車が2台停められて広くはないものの十分な庭が取れる、といった感じです。
一方東京ですと車が一台、庭というよりは箱庭に近いもので、玄関のすぐ先が道路で場合によっては木造3階建てというイメージに変わってきます。
同じ3000万円の家でもだいぶイメージが変わってきますね。

ここでちょっと変な計算をしてみました。お札を土地に敷き詰めるといったい幾らになるのか?
一万円を一坪3.3m2に敷き詰めると約270枚、270万円になります。1000円札ですと27万円ですね。

270万円というと目黒区の東横線沿線など、あこがれはするもののちょっと高くて・・・というあたりの値段です。
地方都市は何故かほぼ全国同じような値段で、県庁所在地やそれに準ずる都市、たとえば山形市、秋田市、富山市、甲府市、浜松市などで便利な高級住宅街が坪単価で20-30万円です。
偶然なのですが、この両者の値段は都心の住宅街の坪単価と地方都市の住宅街の坪単価とほぼ一致していることが分かります。
一万円札がびっしりと引き詰められているとなると土地の境界石が動いたとか、目くじらを立てたくなるのも分かる気がします。東京の土地って本当に高いですね。

では海外の土地の値段ってどうなのでしょうか?
何年も前ですがイタリアにいる知人から聞いた話しでは、2億円で土地と建物が売りに出されているとのこと。その内容を聞いてびっくりしました。フィレンツェの郊外になる田舎の話しですが、広さが2ヘクタールで建物は20ベットルーム、
というところまではスケールは違うものの日本の不動産広告と変わりません。が、そのあと
敷地の中には小川も流れていて猟もできます。
牛が5頭と馬が2頭、もちろん牛小屋、馬小屋付き。
お世話をするメイド夫婦の家が、住む人間ごとついています。・・・エエッ!
もちろん人身売買ではなく、一緒に面倒を見て下さいということなのですが。
土地や建物に対する文化の違いだなと考えざるをえません。

また、数年前にTV番組で話していたのですが、アフリカ(確かケニア?)で土地を好きなだけ差し上げます。というびっくり放送がありました。100年近くの借地で代金をきちんと払うこと、その土地を活用すること等だったと記憶しています。*1)
これまた政府の土地に対する考え方の違いなのですが、色々な考え方があるものだなと感心させられました。

さて土地探しで苦労されている方も多いと思いますが、土地探しって本当に大変ですよね。もっと良いのがでてくるのではないかとか、値段がちょっと・・・などなど。

studioAでは土地探しからおつき合いした建て主の方も多くいますが、土地を決めるときと中古車を選ぶときの感じが結構似ているように感じます。車で例えるのもどうかと思いますが今まで十数台中古車ばかり車を乗り継いできた経験から、細かなところを緻密に調べてどの車が良いかを決めるよりも、結構第一印象が大事だということです。

中沢新一(思想家)の著書、アースダイバーでは昔の人が神聖な場所として扱っていた土地、場所は現在感じ取ることができ、町歩きをしていてこの界隈はちょっと雰囲気が違うなと思ったところは十中八九、洪積層と沖積層の境目であり、かつては岬状に海に突き出ていた海と陸地のはざまになっていた場所で、多くの神社がその縁に沿って建てられているといいます。

土地のロケーション、値段、便利さなどどれをとっても満足な水準なのに、何故かぴたっとこない。などという時、直感をもっと信じても良いのではないでしょうか。例えば住んでいる住民の生活と自分の生活が合わないとか、ピリピリした神経質な人が多いとか・・・そのような雰囲気を人間は結構敏感に感じ取っているので、不思議です。

ある工務店の社長が話していたことですが、工事を始める時その敷地の周りに野良猫の多い場所は工事がやりやすいと。野良猫の悪さなど些細なことは大目に見る人が多く、和やかな雰囲気で工事が進められることが多いのだそうです。
今年からは”経験”と”感”をもっと信じましょうか?

*1)アフリカの土地に関する法律、条例はまだはっきりと整備されいない場合が多く、頻繁に変わっている。近年では外国資本による広大な土地の購入を防ぐ動きもあり、急速に法などの整備が進んでいる。大都市近郊での土地の値上がり、農地への規制など不安定な要素が強いと聞く。

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まめ知識 06 建材で使われる金属の種類とメッキについて

今日は建材で使われる金属のについて書いてみたいと思います。ここまで木の腐食と塗装について書いてきたのですが、金属の腐食も同様に悩まされる建材です。鉄部のメンテナンスについても少々触れておきましょう。

昔は金属の板というとトタンとブリキでしたが、最近は色々なメッキ鋼鈑があります。役に立つかどうかは分かりませんが性能の違いを簡単に説明してみようと思います。
建築でよく使われるのは
・ブリキ
・トタン
・ボンデ鋼板
・ガルバリウム鋼板
・アルスター鋼板
・ステンレス鋼板
その他特殊なものとして
・チタン合金
・コールテン鋼板
などありますが、実際はもっと多く、数限りなく有ると言っても良いほどです。
上記のステンレス、チタン、コールテン鋼以外は鉄にメッキを施したもので、次にメッキの違いについて順に書こうと思います。
・・・アルミ、亜鉛、鉄、ニッケル、錫、鉛、(水素)、銅、銀、白金、金
って覚えてますか?
高校の頃化学の授業で習ったイオン化傾向の大きい順に代表的な金属を並べてみたものです。
鉄よりも左側にあるアルミや亜鉛は、鉄よりも酸化しやすい(錆びやすい)ということになります。
錆びやすい金属と錆びにくい金属を合わせることで本体の鉄を守るというのが建材に使われるメッキの効果になります。
鉄を錆から守るには一見すると鉄よりも錆びにくい金属をメッキした方が良い様に思いますが、実は傷がついた時、肝心な鉄が先に錆びてしまうんですね。メッキ部分の金属が先に錆びることで本体の鉄を守るというのがメッキ層の役目になります。ということで建材には亜鉛やアルミメッキの鋼板がよく使われます。

ブリキ
ブリキというと昔のおもちゃですが、建築ではほとんど使いません。一般の人がよく「ブリキ」と言っていますが、建材の場合ほとんどがトタンです。ブリキは鉄にスズをメッキしたもので、スズは鉄よりも錆びにくいのですが傷がつくとすぐに鉄が錆びてしまうからです。一番使われているのが食品の安全性の観点からも缶詰です。

トタン
トタンは鉄に亜鉛をメッキしたもので、昔から建築にはよく使われます。亜鉛は鉄よりも錆び易いのですが、傷がついたとき先に亜鉛が酸化し鉄が錆びるのを防いでくれるからです。この効果を犠牲暴食効果とも言います。電気的にメッキを施す電気メッキと溶けた亜鉛に直接浸ける溶融亜鉛メッキがありますが、犠牲になる亜鉛が圧倒的に厚い溶融亜鉛メッキの方が防食性は高く、ほぼ錆びないと言っても良いくらいです。

ボンデ鋼板
ボンデ鋼板もよく使われる材料ですが、正式には電気亜鉛メッキ鋼鈑と良い、ボンデ鋼板は商品名となります。トタンとの違いは表面処理をして塗装がのり易くしてあるかどうかで、錆に対しての性能は後で述べる鋼板に劣ります。実感として5年に一回塗装し直さないと錆びてくる、といった感じです。

ガルバリウム鋼板
鉄に亜鉛とアルミを約半々の量でメッキした鋼板です。1980年代後半からよく使われるようになりました。トタンに比べると圧倒的に錆びにくく価格も安いため、最近では屋根を始めほとんどの板金部分で使われるようになった材料です。

アルスター鋼板
アルミメッキを施した鋼板です。ガルバリウム鋼板と同じくかなり新しい材料になります。建築にも使いますが、熱にも強いため自動車のマフラーや簡易焼却炉などによく使われています。ガルバリウム鋼板より耐食性はかなり優れており、ステンレススチールに次ぐ性能を持ちます。トタンの様に犠牲暴食効果で鉄を守るのではなく、アルミが空気中や水中で容易に酸化膜、水酸化皮膜を作る性質を利用したものです。

コールテン鋼
厳密にはメッキ製品ではありませんが、異色なものとしてコールテン鋼があります。鉄に銅を数%混ぜることで表面に緻密な保護性のある錆を形成し、錆がそれよりも中に進まないという優れものです。年月が経つとともに表面が錆色に変わり、素材そのものの美しさが出るので、我々日本人好みの素材とも言えます。(写真1)使ってみたいところですが、価格がそれなりに高く、建築よりも土木でよく使われます。橋梁などの塗り替えのメンテナンス費用を考えるとコールテン鋼の方が最終的には安くなるという経済的な理由からです。
日本のように湿度や雨が高いところで使用するといつまでも錆が流れ出すという厄介な面もあります。その対策としては表面を薬品処理するとか塗装を施すなどの方法がとられますが、折角なら錆を表現したいですね。
鎌倉にある神奈川県立美術館(鎌倉館)(1951年坂倉順三設計)では錆の流れを目立たなくさせるため、建物周囲に砂利を敷き込んでいました。

新日鐵住金HPより

チタン合金
チタン合金はチタンにアルミとバナジウムを数%混ぜた合金で強度が超高力鋼並み、重さは鉄の約半分、耐候性に優れるという3拍子そろった夢の合金ですが、価格が高いため現在よく使われるのは航空機やミサイルなどの軍用が主になります。建材としては東京電力電力館(渋谷)などで屋根葺き材に使われましたが、価格の問題で普及はしていません。

以上のことから最近建材で使われるのはガルバリウム鋼板ということになってしまうんですね。

次に昔のカラー鉄板、トタン板やボンデ鋼板などで錆が出てきたとき、どのようにメンテナンスをすれば良いでしょうか?
まず錆を取ることが重要です。以外と知られていませんが純粋な鉄は結構錆びにくいのです。新築のとき高い防錆塗料を塗るよりも鉄の表面を入念に処理した方が錆が出にくい程です。
入念にというのは実はかなりお金のかかることで、まず砂の混じった高圧の水で表面を綺麗にしてからさらに薬品処理で表面を綺麗に洗い流す作業になります。先程コールテン鋼が塗り替えのメンテナンスが不要なため、土木ではよく使われていると書きましたが、それでは何故すべての橋梁がコールテン鋼にならないかというと、入念に表面処理を施し、高性能な防錆塗装と同じく高性能な塗装を施すことで、かなり錆のでない構造体にすることができるからです。
ということで、塗り替えでは錆などの不純物を取り除くことが重要になります。塗り替え後なかなか錆が出ないという腕のいい塗装職人はこの作業が丁寧で、時間もかかります。ですから結果的に高い!ということになるのですが、どちらが良いかはすぐに分かりますね。
自分でメンテナンスを行う時も錆び落としだけは入念にやって下さい。ヤスリだけではなく、錆落としクリームとの併用が有効です。錆落としクリームはカー用品店やホームセンターにおいてあります。

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Kei Morozumi / studioA

Author:Kei Morozumi / studioA

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