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まめ知識11 雪の重さについて

雪の重さについて
2週続けて関東地方は大雪に見舞われました。東京で27cmの積雪。
気象庁の予報はいつも少なめに感じますが、実際に屋根に積もった雪の量に比べると半分くらいの感じになりますね。我が家も屋根の上は50cmほど積もりました。
この歴史的な大雪で東急子供の国駅のホームの屋根、また八王子ではアーケードの屋根が崩壊しました。その他ご近所でもカーポートの屋根が崩れたりしたところが多いのではないかと思います。

そこで心配なのが自分の家は大丈夫なのか?ということでしょうが、何故崩壊したのかと、どのくらいまで大丈夫なのかを説明してみたいと思います。

構造の計算をする時、屋根などにかかる荷重は3つに分けて考えています。崩壊する荷重と長期荷重と短期荷重です。
崩壊する荷重というのはその名の通り、その重さがかかると壊れてしまうと言う重さです。
長期荷重というのは常にかかっていても大丈夫な重さで、安全性に大きく余裕を持たせて崩壊する荷重の 1/3をみます。短期荷重は短期の間(3ヶ月)であれば屋根にかかっても安全な荷重で、崩壊する荷重の2/3までと想定しています。

建築基準法では雪国の建物についてはある程度の雪が屋根にのっても大丈夫な強度を要求しています。例えば富山の場合は1.5mとか、自治体が条例で一定の量を規定しています。関東地方などではどうかと言うと30cm-40cmで、八王子など寒い地域は40cm、その他横浜や東京23区では30cmです。
一方実際の雪の重さですが、先週のようなさらさらとした雪は1m2、1cmあたり2kg、今週のようなべたっとした雪は3kg程度です。東京の場合は2kgで計算します。
以上の条件から計算すると、東京近辺では雪の荷重として1m2、1cmあたり2kgで30cmですから60kgの荷重を想定していることとなります。(ちなみに富山では300kg!)今回の雪の場合50cm積もりべたっとした雪でしたから3kgx50cmで150kgですから相当想定値をオーバーしていますね。
でも大丈夫です。実際の建物で説明すると、屋根が直接支えている屋根自体の重さと天井の重さは30kg/m2程度ですが、一般的には100kg/m2以上の長期荷重を見込んで設計しています。これは崩壊する荷重に置き換えると300kg/m2、短期荷重ですと200kg/m2に当りますから、3ヶ月間であれば200kgの重さに耐えるということになります。屋根面が支えているものは屋根の仕上とその下にある天井になりますが、この重さは1m2あたり30kg程度ですから、その分を減じても短期的に170kgの重さが屋根の上にのっても崩壊しないということになります。
ちょっとややこしくなりましたので簡単に積雪量で表すと、東京などあまり雪の降らない地方の場合
さらさらした雪で85cmまで
べたっとした雪、雨などの水を含んだ雪だと57cmまでは十分に安全ということです。
崩壊に至るのは
さらさらした雪で135cm
べたっとした雪で90cmになります。
崩壊する前にはたわみが出たり、色々と不都合なことが起こりますから上記の計算上の数字までは安全とは言い切れませんので短期荷重を超えたら(さらさら雪で85cm、べた雪で57cm)雪下ろしと考えるのが良いと思います。

では、なぜホームの屋根やアーケードの屋根が崩壊したのでしょうか?
ホームやアーケードなどは折板屋根一枚で葺かれていますから、雪の荷重以外ほとんど支えなくてはならないものがありません。積雪荷重だけでぎりぎりの構造計算をしたのではないかと思います。ようするに基準法で求められている2kgx30cmの1m2あたり60kgの短期荷重です。重い雪が30cm積もってしまうと90kgになって崩壊する荷重90kg/m2になってしまう訳です。30cm以上積もったか、風やら色々と悪条件が重なってしまったのでしょう。

では良く見るカーポートはどうだったのでしょうか?
カタログを見ていただけると分かりますが、買う側が色々と想定して強度を決めなくてはなりません。雪国仕様として鉄骨で補強したものをオプションで扱っていたり、柱の本数を増やして雪対策を考慮するなどできるのですが、実際、ほとんどは積雪荷重は十分な余裕を持って考えずに設置しているようです。価格が高くなることもあり積雪荷重まで考えていられないというのが現状です。
特に柱が片側だけにしかない方持ちタイプのもの、雪が落ちにくい平面屋根は弱いようですから、早めの雪下ろし、つっかえ棒での補強が必要となります。
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まめ知識10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

時代が変わり、場所(国)が変われば大きく変わるもの。それが住宅の広さです。
顕著な例として戦後の焦土と化した日本です。1946年に臨時建築制限令が出され、不要不急の建築は禁止され住宅の床面積は15坪に制限されたのです。(翌年の法令施行の段階で18坪にまで緩和)この広さは現在のワンルームマンション2軒分程度の広さしかありません。
当時の建築雑誌を見ると、増沢洵自邸ー最小限住宅などの名作が見られ現代の小住宅などでも参考にせれています。(写真下)

増沢自邸
増沢洵設計 最小限住宅 1952年


時代は変わり2006年の統計が下表です。
(統計のある17カ国で比較)

  国別に見た一件あたりの平均面積は(m2)
   1位 アメリカ     162
  2位 ルクセンブルグ  126
   3位 スロベニア    114
   4位 デンマーク    109
   5位 日本       94
   6位 オーストリア   92
   7位 フランス、トルコ 90
   8位 イギリス     87
   9位 チェコ      84
  10位 ポルトガル    83
 (日本は世界で第何位? 岡崎大五著/新潮新書より)

ということで、決して「ウサギ小屋」*)では無いのです。
サンプル数が少ないため5位は言い過ぎでかもしれませんが、フランス、イギリスよりも大きいことは確かです。もう少し詳細に見ると国土交通省2003年の土地統計調査では持ち家125m2、借家48m2、平均96m2となります。持ち家に対して借家が圧倒的に狭いことが特徴として分かります。
アメリカの162m2、49坪は別格として、坪数で換算すると2位の126m2は38坪、10位の83m2は25坪ですから普段設計している住宅とそう変わりありませんし、皆様の住宅も世界基準の広さで2-4位の範囲に入るものがほとんどではないかと思います。

住宅の無料相談会などで圧倒的に多いのが35-40坪程度の広さを要求される方です。予算や敷地が十分であればまだ良いのですが、一軒家はこのくらいの大きさが無くてはいけないとか、広さにあこがれがあるようです。
現在住んでいる借家のアパートやマンションの広さを伺うと20坪程度とのこと。では今の広さに6畳間が二つついていれば良いですかと伺うとほとんどの方はそれでOKだと答えます。計算するまでもなくそれであれば26坪で良いはずなのですが、一軒家だと35坪、ないしは40坪は無いと・・・??と不思議な話しになってきてしまいます。ちなみに我が家は4人家族で26坪です。

地球家族と言う面白い本があります。世界各地の代表的な住宅一件を選び、その住宅の前で写真を撮ったものなのですが、住宅の中に入っていた荷物はすべて外に出して撮影されています。その中で圧倒的に荷物の多いのが日本の住宅でした。

日本地球家族
標準的な日本の住宅に納められているモノ

前面の道路一杯に生活用品が運び出され、よくもこんなに沢山の品々が納まっていたなと感心させられる程です。しかしこれは特別な例ではなく一般の家庭にごく普通にあるものが写っているだけです。一番少なかったのは遊牧民の住宅やアフリカ、インドの住宅でした。(写真下)

モンゴル地球家族
モンゴル遊牧民。住居は折畳めるゲルと言う木製の骨組みにウールをかぶせたもの。

インド地球家族
インドの例

我が国の住宅の荷物の多さにもビックリですが、クエートの写真左下の方に写っているのはソファーです。20-30人用でしょうか?

クエート地球家族
クエートの例

また、イタリアなどのヨーロパ先進国の住宅の荷物と比べてみるのは日本と比較しやすく面白いかと思います。

イタリア地球家族
イタリアの例


絶対的な広さもさることながら、その中に運び込まれる荷物のことも一緒に考えると広い家がほしいと言うことになってくるのでしょう。広さだけではなく収納される荷物の量も一緒に考えた方が良さそうです。

近代建築の巨匠ル・コルビュジェが晩年に建てたカップ・マルタンの休暇小屋(写真下)は何と8畳の広さしかありませんでした。コルビュジェはとても気に入り毎年夏冬、夫婦でここに過ごしたと言います。

カップマルタン
コルビジェが晩年を過ごしたカップ・マルタン


これは極端な例ですが、荷物の量と住宅の大きさが強く関係しているのが分かります。

*)フランス語のcage a lapins が英訳された時に誤訳され本来は「都市型の集合住宅」と言う意味であったが、英訳で誤訳されそれが広まった。
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Kei Morozumi / studioA

Author:Kei Morozumi / studioA

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