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まめ知識02 木は腐らないか?

木は腐らない、と藤森照信さんからいわれてビックリ。??
ジメジメしたところに長く放置された木は腐ってぼろぼろになってしまいますが、これは木材腐朽菌(ふきゅうきん)という木を栄養分とし繁殖する腐生菌が木の主成分であるリグニンやセルロースを分解してしまうためにおこります。
腐朽菌?あまり聞いたことの無い言葉ですがキノコ類も腐朽菌の一種で、シイタケ、マイタケなどは白色腐朽菌という部類に入ります。

 先日、茶室で有名な藤森照信さんがヨーロッパで仕事をした経験で語っていたことですが、アルプス以北の地域、たとえばドイツやオーストリアでは木は腐らないものだと認識されているそうです。
木は腐るでしょ!と言いたくなりますが、これは何故なのでしょう?
最初に書いたように、木は木材腐朽菌が繁殖するために腐ります。繁殖の条件は水分、温度、酸素、栄養分ですが、酸素と栄養分は木が空気中に放置されている限り供給されるものですから、残りの水分と温度に深く関係していることが分かります。
ヨーロッパと東京の湿度を比べてみると
      夏     冬
   ウイーン 60%台    80%台
   東京   70%台半ば  50%前後
   ローマ  70%台前半  80%程度

上の表で明らかなように、ウィーンでは暑さと湿度の高さが日本の逆であるため、木材腐朽菌が繁殖する環境が整わない一方、東京の夏は暑さ、湿気が同時に訪れるため、木材腐朽菌が活動し易くなるという訳です。
日本のように暑い夏と高い湿度が同時にくるのはモンスーン地帯の特徴のようです。

木材腐朽菌は木材含水率(1)が20-25%、温度が20-30度の環境を好み、この環境だと活発に活動を始めます。

では実際に日本で使われている材木の含水率はどのくらいなのでしょう。
一例として奈良県地域材認証センターが認証マークを発行する基準としてあげている数字が構造材で20%、板材で15%です。そのまま放置しておくとさらに乾燥し日本では15-20%程度で落ち着き、ヨーロッパでは11%程度で落ち着きます。からからに乾いた材木であれば腐る心配はありませんが、ジメジメとした環境に置かれた木材や水分がいつまでも抜けない板と板の重なりあったところなどは含水率も20%を常に超えて、腐り易い状況にあると言えます。

さて、木が腐るメカニズムを書いてきましたが、それでは腐らないようにするためにはどのような手を打てば良いのでしょうか?それには木材腐朽菌が繁殖する4つの条件のうち何か一つを断ってやれば良いのです。
昔、木杭を地中に打ち込み地盤の補強をしていましたが、百年以上経っても腐っていないのは、繁殖の条件の一つである酸素が供給されないからです。
私たちが普通に使う木材では、水分を断つことが一番簡単です。

塗装を施すことによって木材を湿気から防ぐ訳ですが、大きく分けてその塗料は二種類に分けられます。
塗膜系塗料と含浸系塗料です。
塗膜系塗料とは一般にはペンキ、と言われているものでその名の通り木材の表面に薄い塗膜を作り、水分から保護します。
既製品のフローリングなどではウレタン系塗料が使われることが多く、強く固い皮膜を作って木材を傷や水分から保護します。

一方の含浸系塗料はウッドオイルとかウッドワックスと言われているもので、木材に成分を含浸させ、水分が表面から内部に入らないようにするものです。傷をつきにくくする性能は持ちませんが、表面に皮膜を作らないため自然の風合
いを残し、落ち着いた雰囲気に仕上がります。さらに重要な違いは木材の表面を完全に覆っていないため湿気の多いときには水分を取り込み、反対に少ないときには放出するという「木の呼吸機能」を生かす事ができ、木材本来の性能を損なわないということです。
室内に木材を使用すると、珪藻土などと同じように調湿機能があるということです。
塗膜系塗料のように完全に水分をシャットアウト出来ませんが、風合いや調湿などメリットも多くあります。

一般的な建て売り住宅やマンション、メーカー系住宅はクレームを避けるため、ウレタン塗装を施す場合がほとんどで、寸法の安定性、汚れにくさ、傷のつきにくさを優先する代わりに木材のもつ調湿機能を犠牲にしています。
これでは見た目は木ですが、性能はプラスティックと同じです。

以上の理由で、studioAでは室内のフローリングなどにはウッドオイルやウッドワックス、またはその両方の成分の入っているウッドワックスを用いています。外部の木材の取り扱いは難しく意見の分かれるところですが、最近は防腐剤入りウッドワックス系で仕上げることが多くなってきました。
その理由としてペンキで塗膜を作ってしまうと新しい材木の場合含水率が出荷状態から下がらず、内部で蒸れた状態になってしまう恐れがあること。
塗膜で完全に水分から保護しますが年月が経って剥がれると、その部分は全く保護されなくなること。などからです。

一方、オイルは含浸しているため剥がれも起きず、含水率も徐々に下がり安定的な15%程度まで下がります。
しかし年月が経過するとともに含浸したオイルが徐々に流れ出てしまうため、一定の期間で塗り足してやる必要がありますので面倒と言えば面倒ですが、木目の見える風合いも大事にしたいとなると含浸系しか選択肢は無くなります。

以上、簡単に木の腐るメカニズムとその防止方法を書きましたが、次回はこの続きとして、具体的にどのようなメンテナンスをどのような塗料を使ってどのような期間で行うのが良いかを書いてみたいと思っています。

(1)木材含水率
木材から完全に水分を取り除いた重さに対して、どのくらいの水分が含まれるかを表した数字。
乾いたスポンジの重量に対して、中にどのくらいの水分が含まれるか、ということを想像していただけると分かり易いと思います。スポンジが自重以上の水分を含む様に、木も同様で100%を超えることもあります。
ヒノキを切り出した時、辺材(周り)で150%%以上、心材(中心部)で33%程度。

一級建築士事務所 studio A / Kei Morozumi  studioAホームページへ
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