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まめ知識 05 コンクリートの撥水と中性化

今日は撥水材と中性化(コンクリート)の話しです。

撥水材はペンキと違ってコンクリートの素材感を残しながら汚れを防ぐ性能があるので我々建築家が好んで使う材料の一つなのですが、見た目の問題のほかペンキを塗るのと同じ様に中性化を遅らせる効果もあります。

ところでコンクリートの中性化?って何。

コンクリートは鉄筋と一体になって初めて強度がでます。コンクリートは圧縮に強く、鉄筋は引っぱりに強いため、両者が一体になるととても強い構造体になります。鉄筋は錆びやすいのですがコンクリート自体がアルカリ性のため、コンクリートに守られている限り鉄筋は錆びません。熱膨張率もほぼ同じということですから非常にうまい組み合わせですね。1900年頃フランスで活躍したオーギュスト・ペレという建築家によって初めて大々的に建築に使われ、その後近代建築の代名詞にまでなりましたました。

ここで中性化が問題になってくるのですが、コンクリートは大気中の炭酸ガスやコンクリートにしみ込んだ水などの影響で表面から少しずつ中性化が進み、アルカリ性から中性になっていきます。
表面に何も塗装などをしていないとき、日本建築学会の計算式で求めると最大で1年で1mm程になります。実際のコンクリートを調べると打放しで何も塗装などをしていない時最大で1年間に0.5mm程度、塗装を施している場合、5年で1mm程度ですから塗装している時は100年で20mmの速さです。*1)
中性化のスピードが違うのは表面にヒビがあるかとか、コンクリートの質が極端に悪い時、工場の排気による影響など様々な用件が絡んできます。コンクリートの質は、調合で使う砂の質やセメントに対する水の割合が大きな要因で、ここを間違えると中性化も早く進むため、建築家は調合などに非常に気を使い、良いコンクリートを打つよう細心の注意をしています。

では鉄筋は表面からどのくらいの距離のところにあるのかというと、これは基礎や内壁など部位別に建築基準法で細かく定められており20mm-60mmが標準ですが、施工の精度によって基準値を下回ってしまうこともあります。躯体の鉄筋が見えていたり、錆で膨らんだ鉄筋がコンクリートに亀裂を作っているのを見たことがあると思いますが、ほとんどの場合施工不良によるものです。施工の誤差を考慮してstudioAでは外部に面している壁や土に接しているのコンクリート部分は法規で決められているかぶり寸法+20mmで設計し、これらのトラブルに対処しています。

以上、まとめてみると次の様になります。
打放しで何も施していないとき、1年間で0.5mm程度中性化が進んでいると推測され、築50年の建物で25mm進行するということになります。耐力壁や梁の法規上のかぶり厚さは30mm以上、studioAは+20mmで設計していますから、鉄筋まで50mmかぶりがあり、通常の中性化が進むスピードだと100年は大丈夫ということになります。中性化に関してはほぼ心配無いということです。さらに撥水材などを塗っておけばさらに安心ということになります。

壁乾燥  壁面撥水
次に撥水材ですが、特にコンクリートの打放し面に塗るのは汚れ防止の役目です。
撥水材には素材で分類するとシリコン系とフッ素系、仕上がりでの分類では表面に塗膜ができるタイプと素材に浸透するタイプに分かれます。
塗膜ができず浸透するタイプのものは車のフロントウインドウや衣類のレインコートなど、日常の製品でも使われているのでよくご存知と思います。建築ではシリコン系が使われることが多いのですが、摩擦やゴミの付着によってい撥水性は徐々に失れ、経験からいうと性能の良い高価なものでも2-3年で撥水効果が無くなり塗り替えが必要になります。
表面に塗膜を作らない撥水材は耐久性に問題が有る一方、仕上がりは塗ったかどうか分からない程で、素材の生のテクスチャーを生かすことができるのが魅力です。(写真、壁面比較1、2)
商品の一例を挙げると
 ABC商会で扱っている「ワイティープルーフ」
 木童で扱っている「超撥水」
 木材専用になりますが、ミヤキで取り扱っている「木肌美人」「木肌一番」 
などが有りますが、2ー3年経つと撥水効果は目では確認出来なくなってしまいます。メーカーによっては内部で撥水効果が続いていると説明している会社も有りますが・・・

一方、透明または半透明の塗膜を作りますが撥水効果が長い間持続し、表面が少々テカるのもまあまあ我慢ができるかなと思って使っている製品に
 大日技研工業のランデックスコートWS疎水材
が有ります。他にも有ると思いますが、性能と耐久性が良いのでstudioAではこれ一本です。

この製品は1986年に竣工した横浜の「人形の家」で初めて使われ、最近初めて塗り直しが行われました。20年以上の耐久性ということになります。studioAでも10年前に竣工した西宮のアパートで使い今春改修工事を行うため検査に行きましたが、まだまだ大丈夫という状態でした。

木材への撥水材の使用ですが、前回、前々回のメルマガでお伝えした通りオイルの方がまだ耐久性が高く、値段も安いので現時点ではあまり使っていません。木童で取り扱う「超撥水」は営業マンも社長も自信満々ですから一度使ってみようかと考えています。
ということで木材での実験報告はだいぶ先になりそうですがあしからず。

平面撥水

撥水材を塗った直後のコンクリートの平らな面。水玉上になって撥水しているのが分かる。

*1)塗装の状況、セメントに対する水の割合、AE減衰材の使用、骨材の種類などの条件で数値は大きく変わるため、あくまで平均的な参考値です。
中性化が社会的問題になったのは広島の市営住宅団地で筑後15年程経った建物で早くも中性化が原因と思われるトラブルが多発し、その原因が塩分を含む海砂を十分に脱塩しないまま使用したためと判明してからです。

一級建築士事務所 studio A / Kei Morozumi  studioAホームページへ
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