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まめ知識 06 建材で使われる金属の種類とメッキについて

今日は建材で使われる金属のについて書いてみたいと思います。ここまで木の腐食と塗装について書いてきたのですが、金属の腐食も同様に悩まされる建材です。鉄部のメンテナンスについても少々触れておきましょう。

昔は金属の板というとトタンとブリキでしたが、最近は色々なメッキ鋼鈑があります。役に立つかどうかは分かりませんが性能の違いを簡単に説明してみようと思います。
建築でよく使われるのは
・ブリキ
・トタン
・ボンデ鋼板
・ガルバリウム鋼板
・アルスター鋼板
・ステンレス鋼板
その他特殊なものとして
・チタン合金
・コールテン鋼板
などありますが、実際はもっと多く、数限りなく有ると言っても良いほどです。
上記のステンレス、チタン、コールテン鋼以外は鉄にメッキを施したもので、次にメッキの違いについて順に書こうと思います。
・・・アルミ、亜鉛、鉄、ニッケル、錫、鉛、(水素)、銅、銀、白金、金
って覚えてますか?
高校の頃化学の授業で習ったイオン化傾向の大きい順に代表的な金属を並べてみたものです。
鉄よりも左側にあるアルミや亜鉛は、鉄よりも酸化しやすい(錆びやすい)ということになります。
錆びやすい金属と錆びにくい金属を合わせることで本体の鉄を守るというのが建材に使われるメッキの効果になります。
鉄を錆から守るには一見すると鉄よりも錆びにくい金属をメッキした方が良い様に思いますが、実は傷がついた時、肝心な鉄が先に錆びてしまうんですね。メッキ部分の金属が先に錆びることで本体の鉄を守るというのがメッキ層の役目になります。ということで建材には亜鉛やアルミメッキの鋼板がよく使われます。

ブリキ
ブリキというと昔のおもちゃですが、建築ではほとんど使いません。一般の人がよく「ブリキ」と言っていますが、建材の場合ほとんどがトタンです。ブリキは鉄にスズをメッキしたもので、スズは鉄よりも錆びにくいのですが傷がつくとすぐに鉄が錆びてしまうからです。一番使われているのが食品の安全性の観点からも缶詰です。

トタン
トタンは鉄に亜鉛をメッキしたもので、昔から建築にはよく使われます。亜鉛は鉄よりも錆び易いのですが、傷がついたとき先に亜鉛が酸化し鉄が錆びるのを防いでくれるからです。この効果を犠牲暴食効果とも言います。電気的にメッキを施す電気メッキと溶けた亜鉛に直接浸ける溶融亜鉛メッキがありますが、犠牲になる亜鉛が圧倒的に厚い溶融亜鉛メッキの方が防食性は高く、ほぼ錆びないと言っても良いくらいです。

ボンデ鋼板
ボンデ鋼板もよく使われる材料ですが、正式には電気亜鉛メッキ鋼鈑と良い、ボンデ鋼板は商品名となります。トタンとの違いは表面処理をして塗装がのり易くしてあるかどうかで、錆に対しての性能は後で述べる鋼板に劣ります。実感として5年に一回塗装し直さないと錆びてくる、といった感じです。

ガルバリウム鋼板
鉄に亜鉛とアルミを約半々の量でメッキした鋼板です。1980年代後半からよく使われるようになりました。トタンに比べると圧倒的に錆びにくく価格も安いため、最近では屋根を始めほとんどの板金部分で使われるようになった材料です。

アルスター鋼板
アルミメッキを施した鋼板です。ガルバリウム鋼板と同じくかなり新しい材料になります。建築にも使いますが、熱にも強いため自動車のマフラーや簡易焼却炉などによく使われています。ガルバリウム鋼板より耐食性はかなり優れており、ステンレススチールに次ぐ性能を持ちます。トタンの様に犠牲暴食効果で鉄を守るのではなく、アルミが空気中や水中で容易に酸化膜、水酸化皮膜を作る性質を利用したものです。

コールテン鋼
厳密にはメッキ製品ではありませんが、異色なものとしてコールテン鋼があります。鉄に銅を数%混ぜることで表面に緻密な保護性のある錆を形成し、錆がそれよりも中に進まないという優れものです。年月が経つとともに表面が錆色に変わり、素材そのものの美しさが出るので、我々日本人好みの素材とも言えます。(写真1)使ってみたいところですが、価格がそれなりに高く、建築よりも土木でよく使われます。橋梁などの塗り替えのメンテナンス費用を考えるとコールテン鋼の方が最終的には安くなるという経済的な理由からです。
日本のように湿度や雨が高いところで使用するといつまでも錆が流れ出すという厄介な面もあります。その対策としては表面を薬品処理するとか塗装を施すなどの方法がとられますが、折角なら錆を表現したいですね。
鎌倉にある神奈川県立美術館(鎌倉館)(1951年坂倉順三設計)では錆の流れを目立たなくさせるため、建物周囲に砂利を敷き込んでいました。

新日鐵住金HPより

チタン合金
チタン合金はチタンにアルミとバナジウムを数%混ぜた合金で強度が超高力鋼並み、重さは鉄の約半分、耐候性に優れるという3拍子そろった夢の合金ですが、価格が高いため現在よく使われるのは航空機やミサイルなどの軍用が主になります。建材としては東京電力電力館(渋谷)などで屋根葺き材に使われましたが、価格の問題で普及はしていません。

以上のことから最近建材で使われるのはガルバリウム鋼板ということになってしまうんですね。

次に昔のカラー鉄板、トタン板やボンデ鋼板などで錆が出てきたとき、どのようにメンテナンスをすれば良いでしょうか?
まず錆を取ることが重要です。以外と知られていませんが純粋な鉄は結構錆びにくいのです。新築のとき高い防錆塗料を塗るよりも鉄の表面を入念に処理した方が錆が出にくい程です。
入念にというのは実はかなりお金のかかることで、まず砂の混じった高圧の水で表面を綺麗にしてからさらに薬品処理で表面を綺麗に洗い流す作業になります。先程コールテン鋼が塗り替えのメンテナンスが不要なため、土木ではよく使われていると書きましたが、それでは何故すべての橋梁がコールテン鋼にならないかというと、入念に表面処理を施し、高性能な防錆塗装と同じく高性能な塗装を施すことで、かなり錆のでない構造体にすることができるからです。
ということで、塗り替えでは錆などの不純物を取り除くことが重要になります。塗り替え後なかなか錆が出ないという腕のいい塗装職人はこの作業が丁寧で、時間もかかります。ですから結果的に高い!ということになるのですが、どちらが良いかはすぐに分かりますね。
自分でメンテナンスを行う時も錆び落としだけは入念にやって下さい。ヤスリだけではなく、錆落としクリームとの併用が有効です。錆落としクリームはカー用品店やホームセンターにおいてあります。

一級建築士事務所 studio A / Kei Morozumi  studioAホームページへ
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