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まめ知識10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

10 本当に適正な住宅の規模広さとは?

時代が変わり、場所(国)が変われば大きく変わるもの。それが住宅の広さです。
顕著な例として戦後の焦土と化した日本です。1946年に臨時建築制限令が出され、不要不急の建築は禁止され住宅の床面積は15坪に制限されたのです。(翌年の法令施行の段階で18坪にまで緩和)この広さは現在のワンルームマンション2軒分程度の広さしかありません。
当時の建築雑誌を見ると、増沢洵自邸ー最小限住宅などの名作が見られ現代の小住宅などでも参考にせれています。(写真下)

増沢自邸
増沢洵設計 最小限住宅 1952年


時代は変わり2006年の統計が下表です。
(統計のある17カ国で比較)

  国別に見た一件あたりの平均面積は(m2)
   1位 アメリカ     162
  2位 ルクセンブルグ  126
   3位 スロベニア    114
   4位 デンマーク    109
   5位 日本       94
   6位 オーストリア   92
   7位 フランス、トルコ 90
   8位 イギリス     87
   9位 チェコ      84
  10位 ポルトガル    83
 (日本は世界で第何位? 岡崎大五著/新潮新書より)

ということで、決して「ウサギ小屋」*)では無いのです。
サンプル数が少ないため5位は言い過ぎでかもしれませんが、フランス、イギリスよりも大きいことは確かです。もう少し詳細に見ると国土交通省2003年の土地統計調査では持ち家125m2、借家48m2、平均96m2となります。持ち家に対して借家が圧倒的に狭いことが特徴として分かります。
アメリカの162m2、49坪は別格として、坪数で換算すると2位の126m2は38坪、10位の83m2は25坪ですから普段設計している住宅とそう変わりありませんし、皆様の住宅も世界基準の広さで2-4位の範囲に入るものがほとんどではないかと思います。

住宅の無料相談会などで圧倒的に多いのが35-40坪程度の広さを要求される方です。予算や敷地が十分であればまだ良いのですが、一軒家はこのくらいの大きさが無くてはいけないとか、広さにあこがれがあるようです。
現在住んでいる借家のアパートやマンションの広さを伺うと20坪程度とのこと。では今の広さに6畳間が二つついていれば良いですかと伺うとほとんどの方はそれでOKだと答えます。計算するまでもなくそれであれば26坪で良いはずなのですが、一軒家だと35坪、ないしは40坪は無いと・・・??と不思議な話しになってきてしまいます。ちなみに我が家は4人家族で26坪です。

地球家族と言う面白い本があります。世界各地の代表的な住宅一件を選び、その住宅の前で写真を撮ったものなのですが、住宅の中に入っていた荷物はすべて外に出して撮影されています。その中で圧倒的に荷物の多いのが日本の住宅でした。

日本地球家族
標準的な日本の住宅に納められているモノ

前面の道路一杯に生活用品が運び出され、よくもこんなに沢山の品々が納まっていたなと感心させられる程です。しかしこれは特別な例ではなく一般の家庭にごく普通にあるものが写っているだけです。一番少なかったのは遊牧民の住宅やアフリカ、インドの住宅でした。(写真下)

モンゴル地球家族
モンゴル遊牧民。住居は折畳めるゲルと言う木製の骨組みにウールをかぶせたもの。

インド地球家族
インドの例

我が国の住宅の荷物の多さにもビックリですが、クエートの写真左下の方に写っているのはソファーです。20-30人用でしょうか?

クエート地球家族
クエートの例

また、イタリアなどのヨーロパ先進国の住宅の荷物と比べてみるのは日本と比較しやすく面白いかと思います。

イタリア地球家族
イタリアの例


絶対的な広さもさることながら、その中に運び込まれる荷物のことも一緒に考えると広い家がほしいと言うことになってくるのでしょう。広さだけではなく収納される荷物の量も一緒に考えた方が良さそうです。

近代建築の巨匠ル・コルビュジェが晩年に建てたカップ・マルタンの休暇小屋(写真下)は何と8畳の広さしかありませんでした。コルビュジェはとても気に入り毎年夏冬、夫婦でここに過ごしたと言います。

カップマルタン
コルビジェが晩年を過ごしたカップ・マルタン


これは極端な例ですが、荷物の量と住宅の大きさが強く関係しているのが分かります。

*)フランス語のcage a lapins が英訳された時に誤訳され本来は「都市型の集合住宅」と言う意味であったが、英訳で誤訳されそれが広まった。
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